今まで大切に乗り続けてきた車が、突然の事故で損傷してしまうのは、大変ショックなものです。
保険で修理費用が出るとは言ったものの、事故車になってしまった愛車に、愛着を持って乗り続けることができるかどうか、悩ましいものですよね。
実は、事故車は修理して乗るより、次の車に乗り換えてしまう方がお得になる場合が圧倒的に多いです。
また金銭面の問題だけでなく、修復歴車は乗り続けていて「まっすぐ走ってくれない」「雨漏りがする」など安全面での問題も出てきます。トラブルが発生しやすいせいで、万一の事故での衝撃に弱く、命を危険にさらすことになるのは避けたいですよね。
そのため、事故車は乗り続けるよりも、売却して新しく買い換えてしまいましょう。
ただ、売却するとはいっても1万円で売れるよりか、10万、20万円と高く売れたほうが良いですよね。
この記事では、事故車を修理して乗り続けるメリットとデメリット、どのようにしたら事故車を高く売ることができるのか詳しく説明していきます。
事故車を修理するのか?それとも売却したほうが良いのか?
ここまで、事故車を修理して乗り続けても損することのほうが多いことを解説してきました。
ただ、場合によっては修理して乗り続けたほうが良い場合があります。それは、「愛車にただならぬ強い思い入れがある」「車のローンが残っている」場合です。
なぜ、この場合には修理して乗り続けたほうが良いのでしょうか。
どれだけ車を大切にしているか
もしあなたが、車に強い思い入れがあるのであれば、修理して乗り続けたほうが良いです。なぜなら、新車に買い換えるよりも、愛情を注いで乗っている車のほうが大切に乗り続けることができるからです。
たとえば、わたしの友人には、何度も修理して同じ車(MAZDA RX-7)に17年乗り続けた人がいます。売却までに事故を起こしたり、エンジンの故障で不動車になったりしたにも関わらず修理して乗り続けていたのです。
引用:みんカラ
なぜこれほど長く、友人は新車購入から乗り続けることができたのでしょうか。それは、「昔から乗りたかった車だったから」です。
新車で購入してから17年経過し、車検費用が非常に高額になったため売却してしまいました。しかし、憧れていた車だからこそ何回でも修理して乗り続けることができたのです。
このように、なんらかの思い入れや愛情があれば事故車になっても修理して乗り続けたほうが良いでしょう。
ただし、交通事故で一度でも車が損傷すると、車のバランスが崩れたまま乗り続けることになります。そのため、通常より摩耗が激しい部品が増え、交換部品が増えて修理費用が高くなることは覚悟してください。
ローンの場合、残債がどれだけ残っているのか
また、売却前に注意が必要なのが「ローンで車を購入した人」です。ローンで車を購入した場合、残債の自己負担額がどれくらいあるかきちんと確認しなければなりません。
もし任意保険が適用になるか、相手の事故過失の割合が大きく、ローンの残債の負担額が無くなるのであれば、売却して買い換えても、修理して乗り続けても良いでしょう。
しかし、任意保険も入っておらず、過失割合が10対0で完全に自分に過失がある場合、返済計画をきちんと立てられるのか確認する必要があります。
この場合、私のオススメとしては、後述の廃車買取業者に売却して、安い中古車に乗りつつ返済する方法がオススメです。なぜなら、借金をし続ける期間が長くなればなるほど金利が上がっていってしまうからです。
たとえば、ローンの残債が96万円ある場合、維持費の安い中古の軽自動車に買い換え、月4万円を4年間かけて返済するのもありでしょう。返済している4年間の間に、次に乗る車を選ぶのもまた楽しいかもしれませんね。
このように、事故車のローンの負債を完済していない場合は、維持費の安い車に買い換えて節約しつつ、返済していくのがオススメです。
大きな事故で壊れた場合、売却してしまったほうが良い
事故で愛車が大破してしまった場合、修理して乗り続けるより、売却して買い換えたほうが良いです。なぜなら、車の買い替えでは大きな利益を得られる場合が多いからです。
特に、保険を適用して修理費用を保険会社から受け取れる場合、なおさら売却すべきです。
なぜなら、保険会社から支払われる費用の他に、廃車買取業者に売却すれば車の売却益分も手に入れる事ができるからです。
たとえば、保険会社から80万円の保険金が支払われた場合、修理では単純に80万円の費用を支払うだけで終わってしまいます。
しかし、廃車買取業者を利用すれば、上記の保険金80万円のほか、事故車の買取費用が10万円、20万円と発生する場合もあります。つまり、100万円も得することができるのです。
今後売却を検討しているのであれば、今すぐ査定したほうが良い
もし、大破した事故車の売却を考えているのであれば、今すぐ査定を依頼すべきです。なぜなら、専門家のアドバイスを少しでも得た状態で売却を進めたほうが最終的に得られるお金が多くなるからです。
逆に、専門家のアドバイスが何もないまま、丸腰で売却をするとどうなるのでしょうか。その場合、業界の車の流れがわからないために、思ったほど高い査定金額を出せない恐れがあります。
たとえば、事故車を売却する場合もっとも高く売れるのは後述する廃車買取業者です。何故このようなことが断言できるかというと、新車購入の際にディーラーを通しても、中古車買取業者を通してもいずれ依頼が行くのは廃車買取業者だからです。
それなら、最初から廃車買取業者に査定を依頼したほうが高く売れますよね。ただ、事故車の場合はレッカーしたり、解体費用がかかったりなどお金がかかります。
ただ、レッカーのタイミングや部品の需要の変化によって、査定金額は変わることがあります。せっかく売却するのであれば手に入れる金額を最大限にしたいですよね。
少しでも、高く売れる機会を増やすためにも今すぐに査定依頼することが大切なのです。
ディーラーや中古車買取業社に査定依頼すると、買取額0円!?
上記で説明したように、ディーラーや中古車買取業社に事故車の査定依頼をすると、0円で引き取られるか、費用を請求されることが圧倒的に多いです。
なぜなら、どちらも車を買取る場合は「乗れる車」として買取ることが大前提だからです。
そのため、事故車の買取では価格がつかないというのが一般的です。しかし、業社にとって事故車を0円で引き取ることにはメリットがあります。
それぞれどのようなメリットがあるのか確認してみましょう。
ディーラーが事故車を引き取るメリット
ディーラーが交通事故直後に事故車を引き取るメリットは、新車購入のきっかけにしてもらえることです。
なぜなら、目の前に車を必要としているお客様がいる状況はめったにない機会だからです。一般的に、1つのディーラーで新車が売れるのは月間20台あれば良いほうだと言われています。
車は一度買ったら、次に買い換えるまでに長い期間が空いてしまうため車を売る機会自体が少ないです。
そのような中で事故車を手放す選択肢があるお客様は、すぐに車を買ってくれる可能性が高いのです。
レッカー費用が多少かかったとしても、新車購入をしてもらえば、レッカー費用はすぐに回収することができます。
また、ディーラーに来るお客さんが求めているのは新車であるため、事故車を修理して店頭で販売しても売れません。
新車を販売しているのに、事故車をわざわざ買うお客様はいないからです。
たとえば、事故車を修理して店頭で販売した場合、お客さんによっては「新車よりも、事故車を販売したいディーラー」と受け取られてしまう恐れがあります。
そうなれば、ディーラーの評判が下がる事態になりかねません。このようなことから、ディーラーに事故車を渡すと、提携している廃車買取業社に回されることが多いのです。
後で詳しく説明しますが、ディーラーが事故車を一旦引き取った後に、廃車買取業社に事故車をまわせば多少利益が発生します。
そのため、0円で買い取っても損することのほうが少ないのです。
中古車販売の業社に査定依頼した場合
では、中古車販売で商売をしている業社に買取りを依頼した場合はどうなのでしょうか。
中古車も上記と同様に、廃車買取業社に回されることが多いです。なぜなら、事故車は無事故の車に比べるとやはり売れにくいからです。
しかし、基本的には中古車販売の業社も乗れる無事故車を前提に買取ります。乗れるようになるまでに大きな修理が必要な事故車は、修理代や維持費でかかる費用を回収できないのです。
そのため、提携している廃車専門業社に回されてしまいます。
この場合も、0円で事故車を買い取って廃車買取業社に取り次げば、廃車買取業社から買取額が発生するため、中古車販売店が損することは少ないです。
事故車を高く売る買い取ってもらう方法とは
ここまで、車の販売している業社に事故車の査定を依頼すると、査定額がつかないことを説明してきました。
業社によっては事故車の回収費用を請求してくる業社もいるかもしれません。
ただ、そうはいっても少しでも高く事故車を買い取ってもらい、次に買う車の購入費用を安くしたいですよね。
実は、ここまで何回か触れてきたように、「事故車を高く買い取ってもらう方法」があります。それは、廃車買取業社に査定を依頼することです。
廃車買取業社とは
前述のように、中古車販売店は事故車を買取ると、修理した車(修復歴車)として販売します。
また無事故車であっても、車検で検査に合格できない箇所がある場合、合格できない要因を作り出している部品を交換する必要があります。。
このとき、どこから部品を調達すると思いますか。
実は、必ずしも新品部品が使われるわけではありません。新品部品の中には非常に高いものもあり、修理したら売却できない金額まで売値を吊り上げないといけなくなるからです。
交換部品の費用を少しでも安くしてほしいというお客様の声に答えるために、事故車や廃車の部品から取り出した部品を利用しているのです。
廃車買取業社はこのような修理で使う部品を、廃車から取り出して売却します。
つまり、車を販売業社にとって事故車はお金がかかる車なのに対して、廃車買取業社にとってはお金を生み出す車なのです。
そのため、ディーラーや中古車販売店の査定額に比べると、はるかに高く買い取ってもらえるのです。
廃車買取業社に事故車を高く買取る理由
廃車買取業社は、どのような事故車であっても買い取ってもらうことが可能です。なぜなら、大半の事故車には使える部品が大量に眠っているからです。
たとえば、後側から追突された車の場合、前側はよほどのことが無い限り損傷していないものです。そのような場合、以下のような部品を取り出すことができます。
- フロントガラス
- エンジン
- オルタネーター(発電機)
- シート
参考までにオークションなどでこれらの部品を出品すると、以下のように買い手が現れます。
出典:オークファン
これらの部品はほんの一部ですが、車に使われている部品数が約3万点あることを考えれば、売れる部品はまだ大量にあることがわかりますね。
また、車に使われている部品の大半は金属からできています。そのため、上記のようにオークションで売れない部品であっても、鉄やアルミニウムなどの金属資源として売ることができるのです。
このように、廃車買取業社は事故車のあらゆる部品を売却する事ができるため、高く買取ることができるのです。
国内、海外へ部品や資源を輸出
さらに、廃車買取業社によって事故車の買取価格は違ってきます。なぜなら、業社によって持っている販路が大きく違うからです。
たとえば、あまりにも年式が古い車の部品だと国内で同じような車が走っておらず、需要がないことは想像できますよね。車が使われておらず需要が無い以上、部品の需要が無いのです。
しかし、海外の発展途上国では20年前、30年前の日本車が普通に走っています。「なんでそんなに長く乗り続けることができるのか」と思うかもしれませんね。
実は、発展途上国では車の購入は家を買うのと同じくらい高い買い物という人が多くいます。そのため、日本以上に簡単に乗り換えることができないため、日本と違って車に一生乗り続けるという人が多いのです。
エアコンが動かなくなろうが、衝突してへこもうが、エンジンがかかって走れなくなる限り乗り続けるのです。
そのため、日本国内では1円もつかないような部品であっても、少しでもマシな部品であれば安く手に入れたいという海外の需要は根強くあります。
廃車買取り業社の中には、このような高く売れる流通経路を持っている業社に売ることで高く売ることが可能になります。
買取店選びで失敗しないために確認すべき3つのポイント
ここまでで、事故車は修理して売却するよりも、そのまま廃車買取業社に売却したほうが良いことを説明してきました。
また、海外に中古部品の販路を持っている業社のほうが高く買い取れるのもここで解説したとおりです。
ただし、廃車買取業社の中には売却後になって査定額を減額したり、廃車の依頼が完了してもレッカーや廃車手続きがなかなか始まらない業社もいます。
高く売れるとはいうものの、申し込んだ後になって業社と面倒なやりとりをすることは避けたいですよね。そのため、廃車買取業社に依頼するときは以下の点を確認するようにしましょう。
- 全国に買取りネットワークを持っているか
- 依頼後も親身になって相談に乗ってくれるか
- 部品を余すこと無く売却しているか
それぞれ解説していきます。
全国にネットワークを持っているか
なぜ全国にネットワークを持っていることが需要なのでしょうか。それは、全国に買取りネットワークがあれば、それだけ迅速に事故車の引取りをしてもらうことが可能だからです。
特に、車の処分で最も忙しくなる時期になると、すぐに引き取ってもらいたくても他のお客さんとの兼ね合いで後回しにされてしまうこともあります。
全国に提携している業社数が多ければ多いほど、すぐにレッカーしてもらえたり、手続きを素早く進めて売却金を支払ってもらうことができます。
そのため、全国に多くのネットワークを持っている業社に依頼するようにしましょう。
依頼後も親身になって相談に乗ってくれるか
意外と見落としがちなポイントに、査定依頼後に親身になって相談に乗ってくれるかということがあります。
なぜなら、査定を依頼してからも廃車手続き完了までに、レッカー引取時間の調整や書類準備、保険の解約、車庫証明書の手続きなどやることが多くあるからです。
今まで一度も手続きをしたことがなければ、疑問点が出てもおかしくはありません。
大半の業社は、査定を引き受けるときは丁寧ですが、その後の作業が雑になりがちです。
そのため、査定依頼後も親身になって相談に乗ってくれる業社に依頼する事が重要です。
部品を余すこと無く売却しているか
部品や金属資源として、可能な限り自社内でリサイクルできるシステムができているかも重要です。100%近くリサイクルできている業社であればなお良いでしょう。
なぜなら、自社内でリサイクルできる割合が高ければ高いほど、無駄な費用がかからないからです。
たとえば、自社で半分しか使える部品を取り出せないとなれば、使えない半分の部品はゴミとして処分したり、他の業社に引き取ってもらわなければなりません。
そうなれば、引き取ってもらうための手数料や仲介料が発生してしまいます。そのため、部品のリサイクル率が100%近い業社に売却したほうが、査定額が高くなります。
まとめ
ここまで解説してきたように、事故で動かなくなり、高額な修理費用が発生することが分かった車は、修理せずに売却するようにしましょう。
どのような事故車であっても、再利用できる部品や金属資源は多くあるため、ここまでで解説したポイントをおさえて売却すれば高く売却することができます。
また、高く買い取ってくれる業社を選ぶことも重要ですが、査定を依頼してからすぐに対応できるネットワークを持っているか、査定依頼後のサポート態勢が整っているかもしっかり確認するようにしてください。
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車を売るときにもっとも大切なのが、「査定額を比較する」ことです。今まで大切に乗ってきた車だからこそ、最後は高く売りたいですよね。
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今まで長い時間を過ごしてきた愛車だからこそ、少しでも高く売れたほうが嬉しいですよね!