「車の一括査定って高く売れるとは聞くけれど、本当なのか」と疑問に思ったことはありませんか。
実際にネットで調べてみると、一括査定のほうが高く売れるという書き込みがあるものの、実際に自分の足で査定をしたというのはあまり聞きませんよね。
また、一括査定を利用しないで複数の中古車買取店に査定を依頼すると、どれくらい面倒なのか具体的なレビューもないため、正直実感がわかないのではないでしょうか。
そこで、このページでは一括査定を利用しないで4社の査定額を比較すると、どのくらい面倒なのか、実際に私が車を査定に出した経験談から紹介していきます。
また、記事の後半では買取査定で気になることを店員に聞いた「ぶっちゃけ話」も書いていますので、査定を依頼する前に読んでみてください。
査定前の準備
今回査定してもらったのはこちらのクルマです。
車種:ホンダ ライフ
グレード:DIVA(ディーバ) スマートスペシャル
年式:2012年
走行距離:65,000km
カラー:パールホワイト
事故・修復歴:なし
その他:ETCとドライブレコーダーを後付け
ネットでの相場額:31〜41万円
軽自動車の走行距離の目安が、1年間に7000キロと言われていますが、私のライフは年間1万キロを超えるペースで走っています。
また、冬は窓に霜が降りるのを防ぐためにサイドミラーに引っ掛けるタイプのカバーをしていました。そのため、フロントガラスの周囲に多少の擦り傷がありました。
そのため、相場よりも若干低めの金額が出ることが予想されます。
ちなみに、乗り換え候補の車があるディーラーに、試乗ついでに下取り査定をしてもらいました。各社の下取り額は以下の通りです。
- 日産→20万円
- ホンダ→15万円
- マツダ→22万円
ディーラーの下取りの査定結果を聞いて、ネットの相場額よりも安めに出るかもしれないと覚悟はしていましたが、ここまで安くなるのは正直ショックでした。
中古車買取店がどのような評価をしてくれるか不安ではありましたが、実際に査定を依頼してみます。
いざ、地道な4社査定へ
最初の目的地のアップルは、道が空いていれば自宅から30分ほどの場所にありますが、4社を回った日は休日だったので道が混んでいる可能性が高そうです。
お昼過ぎにに出発予定でしたが、余裕を持って11時前に出発することにしました。
1社目:アップル
1社目に訪れたのが、買取店のアップル(Apple)です。当初は11:30には到着予定でしたが、道が混んでいたこともあり12:10頃に到着となってしまいました。
アップルの会社概要運営元はアップルオートネットワーク株式会社で、1989年に中古車買取のサービスを開始しし、業界の先駆けになった会社です。
北海道から沖縄までの買取査定を網羅しており、買い取った車を海外輸出させるのではなく、国内流通をメインにしているのが特徴です。
2014年〜2017年の4年連続で、オリコンランキングの車買取会社「総合満足度」で1位になるなどサービス面に重きを置いているようです。
お昼頃に到着したということもあり、お客さんはほとんどいませんでした。車を駐車場に停めると、すぐに40代男性の店員さんが車の側までやってきて店内に案内してくれました。
そのままダッシュボードから車検証を取り出して店内へいくと、まずはアンケートを渡されたので記入していきます。
アンケートを記入している間、店員さんは車検証を1枚コピーしていたようで、コピーが終わると車検証をすぐに返却されました。
- 車を売却するのはいつになるか
- 修復歴(事故歴)の有無
- 次に買う予定の車
などの簡単な質問を10分程度されました。今回の私の場合、2ヶ月後に車を売る予定だったのですが、より正確な査定額を出すなら1週間〜2週間以内に手放すタイミングで、査定したほうが正確な金額が出やすいそうです。
2ヶ月だと相場が変わる恐れがあるため、正確な査定額がわからないとのことでした。
今回は、今日売る場合の査定額を伝えてくれるとのことで、了承し、査定に移りました。
10分ほどすると、査定を終えた店員さんがやってきました。ここで、車のチェックリストを本部に送信して、査定結果を待ちます。
待っている間は店内の席に座って机のチラシなどを見ていました。10分ほどすると店員さんがやってきて査定額を教えてくれました。
- 査定の所要時間:40分
- 買取額:20〜25万円
金額はディーラーよりも高い額が出ていますが、相場額よりも安いのが不満でした。ただ、2ヶ月前の査定なので上限ギリギリが出せないのかもしれません。
その後、すぐに店を後にして次へ向かいました。時刻を確認すると、既に13時手前でした。
次の査定先であるガリバーに向かいましたが、休日の国道は道が混んでいてなかなか進みませんでした。
2社目:ガリバー
2社目に訪れたのは、業界でも圧倒的な知名度を誇るガリバーです。駐車場について時間を確認すると、13:50でした。車が数台停まっているため、先客がいるようです。
ガリバーの概要運営元は、株式会社ガリバーインターナショナルという会社でしたが、2016年に社名を変更し株式会社IDOM(イドム)となりました。
1994年に車の買取サービスを開始して、2001年〜2016年の中古車買取台数が業界ナンバーワンになるなど中古車買取業界でも最大手と言われる会社です。
アップルからガリバーまでは通常なら15分もせずに到着できるのですが、休日で道が混んでいたため、1時間もかかってしまいました。
駐車場に車を停めて店内に入るとお客さんが3組ほどいましたが、空いている机があったため案内していただきました。
机の上には前回のアップル同様、アンケートがあったためひとつずつ記入して店員さんが来るのを待ちます。
アンケートを書いて5分ほどすると店員さんがやってきました。車検証のコピーがしたいとのことで、車検証を渡すとコピーしてすぐに机に戻ってきました。
店員さんから質問されたのは次の通りです。
- 車を売却するのはいつになるか
- 修復歴(事故歴)の有無
- 次に買う予定の車
- 車買取査定を利用するのは初めてか
- 中古車に興味はあるか
中古車買取数が日本一ということもあり、中古車販売も強化している様子が伺えました。
15分ほど質疑応答を繰り返すをすると、実車の査定に移ります。ガリバーもアップル同様に、2ヶ月先の売却では査定額が変わるため、あくまで今日の買取金額を出すとのことでした。
待ち時間の間屋外に中古車が展示してあったため、歩いて見て回るつもりでいましたが、5分しないうちに暑さにやられてしまい店内で待つことにしました。
実車の査定開始後、15分ほどすると店員さんが戻って来ました。「本社に問い合わせてみます」とのことで、ここからさらに15分ほど待ちました。
本社から査定額の連絡を待っている間、店員さんとガリバーの査定が他の買取店とどのように違うのかという説明を受けました。
15分後になると、店員さんが事務所へ確認にいき、査定金額を教えてくれました。
- 所要時間:60分
- 査定額:11〜18万円
このとき、買取店によって査定額は違うことを強く実感しました。同じクルマを見ているはずなのに、買取店によって判断基準が違うようです。
この時点で、既に疲労が相当溜まっており帰りたくて仕方なかったのですが、高い査定額を目指すべく残り2社をまわります。
3社目:カーチス
3社目に訪れたのはカーチスです。駐車場について時刻を確認すると、15:20でした。
カーチス概要運営元は、株式会社カーチスホールディングスで、1999年に東証2部に上場している会社です。
創業から現在名のカーチスに至るまで合計8回社名が変わっている買取会社です。2006年元日に「株式会社ライブドアオート」に社名を変更した2週間後に、ライブドア事件が表面化します。
同年8月ライブドアのイメージを払拭するため、株式会社カーチスに社名変更したそうです。中古車買取業界の中では若めの会社です。
3社目を受ける時点で、疲労がピークに達していましたが、高く売るためにも気を引き締めます。
店舗に到着して駐車場に停めると、すぐに店員が店内から出てきて、店内に案内してくれました。その後はアップル、ガリバー同様に車検証を渡して、アンケートの記入に移ります。
アンケートの記入が終わってすぐに、店員さんが来て質問が始まります。
店員に聞かれた質問は以下のとおりです。
- 車を売却するのはいつになるか
- 修復歴(事故歴)の有無
- 次に買う予定の車
質問内容は他の2社と同じでしたが、詳しくは査定後に聞きたいということでした。質問が5分程度で、すぐに実車の査定に移ります。
カーチスは他の2社に比べると査定にかかった時間が若干短めで、10分経たないうちに終わりました。
そうして、ガリバー同様に本社へ査定額を問い合わせとなり、店内で待つことになります。
店員さんも2人しかいなかったため、出していただいたドリンクを飲みながら机の上のキャンペーンチラシなどを眺めて待ちます。
そうして待つこと15分、店員さんがやってきて査定額を教えてくれました。
- 所要時間:40分
- 査定額:30万円
現時点では最高額を提示していただきました。やはり、買取店によって査定額が大きく変わることを実感することができました。
いよいよ、最後の査定先であるラビットへ向かいます。
4社目:ラビット
最後に訪れたのは、ラビットです。ラビットに到着した頃に時刻を確認すると、16:30になっていました。
ラビット概要運営元は株式会社ユー・エス・エスという会社です。
実は、株式会社ユー・エス・エスは日本最大の中古車オークションを運営している会社です。
ほぼすべての買取店が買い取った車をオークションに出品するため、手数料がかかります。しかし、カーチスは自社でオークションを展開しているため、オークションの出品手数料がかからないそうです。
手数料がかからないことで、高値の買取が可能であるとPRしています。
お店に到着すると他にお客さんが一組いました。店内の席で待っているように催促されたため入店し着席しました。
席に座ると、他の買取店同様にアンケートがあったため記入していきます。
そうして、アンケートを記入し終えると疲労から睡魔に襲われましたが、なんとか踏ん張ります。
記入してから5分ほど経過すると、店員さんが他のお客さんの対応を終えたのか私の机にやってきました。
挨拶をした後に、他の買取店同様の質問がきます。
- 車を売却するのはいつになるか
- 修復歴(事故歴)の有無
- 次に買う予定の車
そうして、5分ほど質疑応答に応えると実車の査定に移りました。
実車の査定にかかった時間は15分程と少し長めでした。
実は、このライフには経年劣化なのか、高速道路を走行中にできてしまったのか細かいキズがあります。
ラビットの店員さんはこの傷がひょっとしたらケミカル(研磨剤)で磨けば目立たなくなるかもしれないということで、実際に無料で一部だけ研磨してもらいました。
遠目からは分からないのですが、上記の赤丸に爪が引っかからない程度の傷がありました。なんと、研磨によりこれらの傷が見事に見えなくなりました。
ただ、この作業はどの買取店も車を買い取った後に当たり前のようにやっているそうです。
やっているのですが、買取店によって減額のポイントにして安く買い取れれば利益を確保できるため、あえて言わないということでした。
そうして査定を終えると、本部に査定額をチェックしてもらうということで店内に戻りました。
査定額を待っている最中は、ラビットの中古車買取が高い理由のほか、中古車に限らず新古車をオークション会場から買い付ける事ができるサービスもある旨を説明してくれました。
輸入車の新古車の値引き幅が特に大きく、車種によっては新品同様の状態なのに新車より100万円以上安く買える場合もあるそうです。
残念ながら、輸入車に興味がなかったのと、疲労で眠気がマックスだったこともあり話の内容はよく覚えていません。
そうして20分ほど経つと査定結果を知らされました。
- 所要時間:70分
- 査定額:30万円
実はここで査定額を上げるテクニックを利用しました。それは、査定してもらった3社の中で、一番高い査定額をつけた「カーチスの査定額」を伝えることです。
すると、少し時間が欲しいと店員が戻っていきました。数分経過しないうちに机に戻ってきてこういいました。
すぐに売却なら「38万円」にできるとのことです。
ただ、売却は数ヶ月後を検討していたため、今回提示していただいた金額でも売るつもりはありませんでした。
このことから複数の買取店と査定額を比較するだけでなく、他の買取店の査定額を伝えてみるのも査定額アップには重要だと実感しました。
そうして、4社の査定を終えて時刻を確認してみると……
自宅を出発してから、査定終了までにかかった時間は7時間でした。このように、一軒ずつ査定を依頼すると丸一日かかってしまうのです。
ちなみに、帰宅する頃には19:00になっていたので、実質8時間近い時間を4社の査定にあてたことになります。
さらに、走行距離は90キロだったので、1リットル150円で燃費が15km/Lであったことを考えると、約900円が燃料代にかかっています。
ボックスティッシュを頂いたものの、900円もあれば一体何箱のボックスティッシュが買えるのでしょうか。ティッシュの王者でもある「鼻セレブ」ですら数箱買えます。
このように、一軒ずつ買取店を訪問すると膨大な時間がかかるだけでなく、ガソリン代など余計な出費もあります。
なお、出張査定についてまとめた記事もあるので、参考にしてみてください。
査定で気になることを査定担当者に質問してみた
実は、今回査定をする前に気になっていたことがあったので、過去に何百台も査定してきた店員さんに「ぶっちゃけ話」を聞いてみました。
Q1. 店舗査定と出張買取で買取金額に差額はある?→A.「あまり無い」
店舗での査定と、出張査定では買取金額に差はないようです。なぜなら、出張査定でかかる費用は、買取で得られる金額に比べれば微々たるものだからです。
一台の車の売却が決まるだけで、買取店に何万円もの利益が得られることを考えると、ガソリン代数百円をケチったせいで他の買取店に査定額が負けるようなことは、あってはならないのです。
そのため、出張査定でも店舗査定でも提示する金額は同じだそうです。車の買取はタイミングが重要なので、色んな買取店に目を通してもらうことが大切だと言っていました。
Q2. 査定を依頼するのにベストな時期は?→A.「毎年2〜3月と9〜10月」
査定額が高くなるのは、中古車の流通台数が一番多くなる時期だそうです。中古車の取扱数が1年間を通じて一気に増える2〜3月と、中古車買取店が半期の決算期に入る9〜10月がおすすめのようです
2〜3月は車を手放す人も増えますが、新生活に向けて買う人も増えるため、中古車の需要と供給が一気に増えるとのこと。
また、3月31日までに車を手放してしまえば、自動車税を支払う必要がない、というのも理由の一つとしてあるようです。
9〜10月は、中古車買取店の半期の決算時期です。そこで、良い成果を出した営業員や店舗に対して報奨金が出たり、給与査定が上がったりするため買取を強化するのだそうです。
そのため、もし車の売却タイミングに迷っているのであれば「2〜3月」「9〜10月」のタイミングを見計らって売ると良いでしょう。
ただし、半年待っているうちに査定額そのものが下がってしまうことも多く、「タイミングが良かったらラッキー」くらいで、売れるのであればすぐに売るほうが、より新しい状態で売却できるので高く売れるそうです。
Q3. 査定額が不満。断ってもいい?→A. 「不満があれば断ってもらって全然OK」
複数社に買取を依頼して査定額を比較しようとしても、断るの多少に抵抗がありますよね。ですが、中古車買取店としては、断られることは日常茶飯事のようです。
特に一括査定で査定依頼が入った場合、他の買取店と利益が出るか出ないかギリギリの競争をさせられます。他社よりも高い査定額が出せないときは、割り切ってあきらめているようです。
たとえば、買取店が在庫車を多く抱えていれば、それだけで維持費がかかります。反対に、在庫車が少なければ少しでも早く店頭に車を並べたいため、強気の査定額を出せるのです。
こればかりはタイミング次第で変わるため、査定額に満足できないときに断られるのは仕方ないと考えているのです。
ただし、一度契約してしまうと断ることができなくなります。そのため、ネットで買取相場の金額を調査し、実際に売買するときに査定サービスを利用するのが良いでしょう。
まとめ
私が実際に足を運んだときは、丸々1日かけてたった4社しか査定金額を提示してもらうことができませんでしたが。しかし、査定会社によっては何千社もの買取店から査定金額を出してもらえるサービスもあります。
査定をするときは、1社だけで査定を済ませるのではなく、複数の査定会社に金額を出してもらうようにして、一番高く買い取ってくれるお店で車を売るようにしましょう。
車を売るときにもっとも大切なのが、「査定額を比較する」ことです。今まで大切に乗ってきた車だからこそ、最後は高く売りたいですよね。
実際に私が車の売却をしたときも、最初にディーラーに買取を依頼したときよりも、なんと23万円高く買い取ってくれました。ユーカーパックならたった1回の査定で、全国5000社以上の買取店がオークション形式で査定額を決めてくれます。入力も1分で終わり、無料で使えるサービスなので気軽に試してみてください。
一括査定サイト違って1社だけに依頼するので、一括査定で起こりがちな「電話が鳴り止まなくて困る」「比較している最中に売却を強要される」というトラブルも起きないので安心です。
今まで長い時間を過ごしてきた愛車だからこそ、少しでも高く売れたほうが嬉しいですよね!