車を新しく買い換えようと新車を探し始めると、どの車にしたらいいのか迷う方もいると思います。最初からこの車が欲しいと決まっていればいいですが、車の維持費や性能、外観などさまざまな視点から考慮するのではないでしょうか。
当然ながら、車は新車であろうと、中古車であろうと購入費用をまず支払います。さらに、維持し続けるためにもお金を支払い続けなければなりません。
では、どの種類の車であれば維持費を安く抑えられるのでしょうか。実は、購入費と維持費を含めたトータル費用が最も安くなるのは軽自動車です。
なぜ、軽自動車は新車購入価格と維持費を含めたトータル費用が安くなるのでしょうか。この点について解説していきます。
軽自動車の維持費が安い理由
車の維持にかかる費用とは、具体的に「ガソリン代」「自動車税」「駐車場代」「保険代」「車検代」です。車を購入するときにローンを組めば「ローン返済金」も考えなければなりません。
ここに列挙した維持費の中でも、軽自動車は「ガソリン代」と「自動車税」が特に安いです。
では、軽自動車のガソリン代と自動車税は、乗用車に比べて具体的にいくらの差が出るのでしょうか。まずはガソリン代について考えてみます。
軽自動車はガソリンの消費量が少なく、ガソリン代が安い
車を動かす以上、必ず燃料が必要になります。なかにはガソリンを使わず、電気だけを充電して走行する電気自動車(EV)や、「水素」を燃料にした燃料電池車(FCV)もあります。
しかし、仮に燃料自体が安いとしても、車両本体価格が高いです。また、これら「ガソリン以外の燃料を使う自動車」は、それぞれの燃料に対応した特殊な部品を使う必要があるため費用が高くなりやすいです。
ガソリンを使わない自動車は普及率が低く、維持費もガソリン車に比べると割高であるため、電気自動車と燃料電池車の日本国内での普及率は2016年12月で1%にも達していません。
つまり、日本を走行している車の99%以上はガソリン(もしくは軽油)を必要とする車なのです。
さらに、自動車は排気量が大きくなるほどより多くのガソリンを消費します。そのため、排気量の小さい軽自動車ほどガソリン消費量が少なく、年間にかかるガソリン代が安く済みます。その反対に、排気量が大きくなるほどガソリンの消費量が多くなるため、ガソリン代が高くなります。
軽自動車は自動車税が安い
車に乗れば乗るほど、ガソリン代は増えます。一方、そもそも車に乗らなければガソリン代はかかりません。そのため、ガソリン代をかけたくないのであれば車の使用を極力控えることでガソリン代を節約することは可能でしょう。
しかし、自動車税は車を持ち続ける限り、毎年支払わなければならない費用です。自動車税は排気量によって支払う費用が変わります。
区分 | 総排気量 | 税額 | 10年間で支払う自動車税の総額 |
軽自動車 | – | 7,200円 | 72,000円 |
乗用車 | 〜1,000cc | 29,500円 | 295,000円 |
1,001〜1,500cc | 34,500円 | 345,000円 | |
1,501〜2,000cc | 39,500円 | 395,000円 | |
2,001〜2,500cc | 45,000円 | 450,000円 | |
2,501〜3,000cc | 51,000円 | 510,000円 | |
3,001〜3,500cc | 58,000円 | 580,000円 | |
3,501〜4,000cc | 66,500円 | 665,000円 | |
4,001〜4,500cc | 76,500円 | 765,000円 |
※平成27年4月1日以降に購入した軽自動車の場合、税額は10,800円になります。
上の図は自動車税の一覧表です。この表からわかるように、軽自動車の税額が際立って安いです。小型自動車といわれる1,500ccの自動車であれば、軽自動車の何倍もの税金を納めなければならないのです。
さらに、自動車税の納付は毎年あります。つまり、10年間車を持ち続ければ、10回納税しなければなりません。
上記の表からわかるように、「軽自動車」と「乗用車」では10年間維持したときの費用に大きな差が出ます。
維持費を最安で済ませたいのであれば、軽自動車を選ぶべき
上記で述べてきたように、軽自動車の維持費はとても安いです。
結局のところ、維持費を最も安くしたいのであれば軽自動車を選ぶべきです。軽自動車のなかには10年間で200万円かからない(年間20万円もかからない)モデルも登場しています。
以下の表は新車を10年間維持した場合にかかる諸々の費用を算出したものです。「トータルコスト」が新車購入費用10年間でかかる総額です。
車種 | 自動車税(消費税込み) | 実燃費(km/L) | トータルコスト(万円/10年) |
アルトAGS | 873,720 | 28.86 | 197 |
軽イース | 900,000 | 23.29 | 212 |
ミラージュM | 1,150,000 | 18.62 | 260 |
デミオsky | 1,400,000 | 18.08 | 299 |
Fit3 HV ベースタイプ | 1,700,000 | 24.60 | 307 |
ノートSC | 1,600,000 | 16.49 | 310 |
デミオDiesel MT-FF | 1,780,000 | 24.02 | 316 |
デミオDiesel-FF AT | 1,780,000 | 19.90 | 321 |
アクア | 1,860,000 | 23.93 | 343 |
Civic HV | 1,960,000 | 20.98 | 347 |
プリウス三代目 | 2,300,000 | 21.00 | 411 |
プリウス四代目 | 2,429,018 | 26.79 | 421 |
エクストレイルgasoline-4WD AT | 2,240,000 | 12.60 | 430 |
CX5-2WD AT | 2,280,000 | 13.09 | 432 |
プリウスプラグイン | 3,050,000 | 21.00 | 447 |
CX5-4WD AT | 2,490,000 | 13.46 | 451 |
CX5Diesel2WD AT | 2,790,000 | 12.81 | 471 |
アテンザDiesel-2WD AT | 3,030,000 | 19.30 | 478 |
CX5Diesel-4WD AT | 2,920,000 | 14.43 | 478 |
エクストレイルDiesel-4WD AT | 3,140,000 | 12.95 | 506 |
カムリHV | 3,040,000 | 16.59 | 508 |
CT200h | 3,560,000 | 22.00 | 548 |
アコードHV | 3,650,000 | 23.30 | 555 |
iMEVE(電気自動車) | 4,000,000 | 0.00 | 616 |
アウトランダーPHEV | 3,320,000 | 22.61 | 661 |
クラウンアスリート | 4,690,000 | 17.05 | 673 |
出典:藤井修(2016)「ソーラーカーの実用化が始まった」『太陽/風力エネルギー講演論文集(2016)」pp.271-274.
この表は、2016年10月時点で市販されている車の車両価格、車検費用、タイヤ交換費用、オイル、修理費用など10年間でかかる費用を算出した一覧表です。
ただ、実際はここにガソリン代が加わります。年間の維持費に差がつく要因の一つにガソリン代があるのは、上記で述べた通りです。では、燃費の違いでガソリン代にどれくらいの差が出るのでしょうか。
例えば、走行距離が年間1万キロ、燃料はレギュラーガソリン(130円)と仮定します。
上記の表から最も実燃費の良い「アルトAGS(軽自動車)」と、もっとも実燃費の悪い「エクストレイルgasoline 4WDAT(SUV)」で燃費効率を比較してみます。
ちなみに、カタログで公表している「カタログ燃費」と実際の走行で得られる「実燃費」の数値には違いがあります。
なぜなら、カタログ燃費は良い燃費数値を出すために日常生活とは異なる運転方法(交通事情を考慮しない、燃費を良くする運転)で計測するからです。
一方、「実燃費」は実在する何人もの車の持ち主が、街中や高速道路で走行して燃費を申告します。申告した大量のデータから平均値を割り出しているのでより現実的な数値となります。
アルトAGS(軽自動車)の場合ガソリン1リットルで28.86キロ走行するので、年間にかかるガソリン代を計算すると以下の通りです。
10,000(キロ)÷28.86(キロ/リットル)×130(円/リットル)=45,045円
また、エクストレイルgasoline 4WDAT(SUV)の場合、ガソリン1リットルで12.6キロ走行するので、年間にかかるガソリン代を計算すると以下の通りです。
10,000(キロ)÷12.6(キロ/リットル)×130(円/リットル)=103,174円
このように、軽自動車は燃費が良いため、普通車に比べて年間5万円(1年間に1万キロ走る場合)もガソリン代が安く済むのです。
なお、ハイブリッドカーやクリーンディーゼルなど、燃料代が安いといわれるエコカーが普及してきたのは事実です。しかし、一部の交換部品やオイルが特殊で交換費用が高価なために、車を持ち続けるほど維持費が高くなってしまうのが現状です。
そのため、車は欲しいものの、車に関わる費用を最小限で済ませたいのであれば、軽自動車を買うようにしましょう。
車の維持費の高さに困っているなら買い替えも考えるべき
上記で述べたように、車は運転するしないに関わらず毎年納税しなければなりません。例えば今あなたが乗っている車が「乗用車2001〜2500cc」に該当するのであれば、毎年45,000円の自動車税を支払わなければなりません。
しかし、軽自動車に乗り換えることで自動車税が7,200円になります。つまり、自動車税の支払い金額が毎年34,000円安くなります。
車をほとんど運転しないにもかかわらず、排気量の大きい車の維持費の高さに困っているのであれば軽自動車への乗り換えを考えましょう。
今乗っている車を高く買い取ってもらうためにすべきこと
また、せっかく乗り換えを考えるのであれば、あなたの車をもっとも高く買い取ってくれる買取店を見つけて、車を売却するのが望ましいです。
良い買取店を見つけることは結果として、乗り換える車を安く買うことにつながります。
このとき、あなたの車を近所の買取店で査定依頼をすれば「古いから」「ドアの傷が目立つから」などの理由で、査定金額が安くされかねません。
しかし、全ての店があなたの車を安く見積るわけではありません。安く見積る買取店がいる一方で、あなたの車に価値を見出し高値で買い取る買取店もいます。
そのため、あなたの車を1社でも多く査定してもらって、あなたの車を高値で買い取る業社に見つけてもらう必要があるのです。
実は、一括見積り査定を利用することで、あなたの車を高く評価してくれる買取店に出会うことができます。
仮に、あなたが近所の買取店へ端から見積もり査定を依頼しても、手間暇を考えて2〜3社が精一杯でしょう。
しかし、一括見積り査定であれば、あなたの車を何十社もの店が目を通します。あなたの車に価値がないと判断した買取店は、そもそもあなたの車を査定しません。査定の依頼を出すのは、あなたの車に高く見積る価値があると判断した買取店だけです。
車にかける費用を最小限にしたいというのであれば、軽自動車に乗るようにしましょう。さらに、軽自動車に乗り換えるのであれば一括見積もり査定を利用して少しでも高く車を売るようにしましょう。
車を売るときにもっとも大切なのが、「査定額を比較する」ことです。今まで大切に乗ってきた車だからこそ、最後は高く売りたいですよね。
実際に私が車の売却をしたときも、最初にディーラーに買取を依頼したときよりも、なんと23万円高く買い取ってくれました。ユーカーパックならたった1回の査定で、全国5000社以上の買取店がオークション形式で査定額を決めてくれます。入力も1分で終わり、無料で使えるサービスなので気軽に試してみてください。
一括査定サイト違って1社だけに依頼するので、一括査定で起こりがちな「電話が鳴り止まなくて困る」「比較している最中に売却を強要される」というトラブルも起きないので安心です。
今まで長い時間を過ごしてきた愛車だからこそ、少しでも高く売れたほうが嬉しいですよね!