新車を買うとき、どの色にしようか悩んだ経験はないでしょうか。無難な色にしようか、個性を出せる色にしようか、それともかわいい色にしようかなど、さまざまな考えを巡らせるのではないかと思います。
実は、新車を買うときに選択できる色はボディーの塗装色だけではありません。室内灯も好きな色にすることができます。
一方、車に取り付ける部品の中にはナンバープレートや灯火類(車の外側にあるライト)のように法律で制約があり、自由に選べない色があります。
では、あなたが車を買うときに選べる色と選べない色はどのようなものがあるのでしょうか。このことについて解説していきます。
ボディーの色ごとの特徴
あなたが新車を購入するとき、当然ながらボディーの色は自由に選ぶことができます。次の乗り換えで車を買取り(下取り)に出すことまで考えているのであれば、高額で買い取られる白色・黒色を選ぶと良いでしょう。
白色と黒色は男女関係なく、若者からお年寄りまですべての世代で人気のある色で、買い手がつきやすいです。なので、中古車の買取査定で高い見積りが出やすいです。
しかし、白色・黒色ではつまらない、それ以外の色が良いという人もいます。基本的にはあなたが好きな色の車を購入すべきですが、色選びで迷っている人のために「色ごとにどのような特徴をもっているのか」について説明していきたいと思います。
黒色(ブラック)
黒色の車は前述の通り、買取査定時に高く評価される色です。
また意外に思う人もいるかもしれませんが、黒色はもっとも女性受けする色です。2015年に口コミサイト「クルビア」が、女性2003人へ対して行ったアンケートによると、58.3%の女性が彼・夫に乗って欲しい車の色は「黒色」という結果が出ています。
黒色だと「夏場、日が当たる場所に駐車していると、車内が暑くなってしまうのでは」と心配になる人がいるかもしれません。たしかに、黒色は光を吸収しやすい色であるためボディー表面の温度は他の色に比べて高くなります。しかし、車内については他の色と大差ありません。
一方で黒色のデメリットとしては、非常に汚れが目立ちやすいためこまめにメンテナンスする必要があります。
白色(ホワイト)
白色は黒色同様、買取査定時に高く評価される色です。ちなみに、白色は黒色以上に年齢・男女関係なく人気があります。
また、白色はシルバーには劣りますが、黒色に比べると汚れが目立ちにくいです。しかし、当然ながら汚れが目立ちにくいからといって、外装を綺麗にすることを怠れば、サビや水垢が他の色より目立ちます。
銀色(シルバー)
シルバーは白色・黒色以上に汚れが目立ちにくい色です。外装を綺麗にする手間暇がもっともかからない色ともいえます。
ただ、シルバーは色が古臭く見えるため、若者受けは良くありません。一方、シルバーは高齢の人に人気があります。
暖色系の色(レッド、オレンジ、イエローなど)
暖色系の色とは、赤色、オレンジ色、黄色、黄緑色など赤色成分が多い色です。ちなみに、暖色系の色(赤色など)は事故を起こしにくいという話がありますが、それを裏付けるようなデータはありません。
暖色系は日光(紫外線)を吸収しやすいため、色あせしやすい色です。そのため、可能であればカバーをするなどして日光(紫外線)に当たらないようにしましょう。
寒色系の色(ブルー、グリーン、パープルなど)
寒色系の色とは、青色、緑色、紫色など青色成分が多い色です。寒色系は事故を起こしやすいという話がありますが、前述の通りこれを裏付けるようなデータが存在しないため信じる必要はありません。
寒色系の色は暖色系の色に比べると、日光(紫外線)を吸収しにくいため色あせが進行しにくいです。
しかし、色あせしにくいからといって屋外で保管していれば、屋内で保管するよりも色あせは進行します。
新車に自分の好みの色がないとき
新車のカタログを眺めていると、自分が欲しい色というのが出てくると思います。欲しい色が、製品のラインナップにあればいいのですが、ない場合もあります。また、他のメーカーに気に入った色があることもあるでしょう。
色だけをどうしても変えたいというときは、板金塗装屋を使う方法があります。
実は、車の色にはメーカーごとに、カラーコード(色を識別するための番号)が存在します。以下の写真の赤線部分がカラーコードにあたります。
出典:みんカラ
車が納車された後に、自分の欲しい色のカラーコードを控えて板金塗装屋に塗装を依頼すると、自分好みの色の車を作ってもらうことが可能です。ただし、塗装費用が50万円以上するなど費用は高額になるうえ、塗料は板金屋が調合して作るため、メーカーの色と完全に同じ色を作るのは不可能です。
ディーラーに新車を注文(オーダー)した後に色の変更は可能か
欲しい車種も決まり、車のオプションも決まった段階であっても色選びで迷ってしまう人がいるでしょう。
契約書にサインした後に、「あの色にしておけばよかった」と色を変更したくなる人はいるものです。では、オーダーした後に色を変更することは可能なのでしょうか。
注文後の色の変更は基本的には不可能です。注文書にサインした時点で、変更することは難しいと考えてください。
しかし、時と場合によっては変更がきく場合があります。それは、人気車種の注文であった場合です。
人気車種であれば同じ色・グレードの車を買いたい人が現れやすいです。そのため、ディーラーにお願いすることで他の色への変更がきく場合があるのです。
ただ、この場合は利益分を補填するために、注文者に違約金が請求される場合もあります。そのため、注文後の色変更はできるだけ行わないよう熟慮した上で、注文書にサインするようにしましょう。
新車購入時に自由に選べない色
新車購入時に選択の余地がない色があります。それは、ナンバープレートの色と車の灯火類(車の前後についているランプなど)です。
ナンバープレートの色の意味
ナンバープレートには、それぞれの色にきちんと意味があります。
出典:軽自動車協会
黄色と黒色で構成されているナンバープレートは軽自動車のためのナンバープレートです。一方、緑色と白色で構成されているナンバープレートは小型自動車・普通自動車・大型特殊自動車(トラクター、ブルドーザー、クレーン車など)で使われています。
車の色に合わせたいからといって、ナンバープレートの色を好きな方にすることはできません。
当然ですが、ナンバープレートは指定されたものを使用しなければなりませんし、常に番号が確認できる状態でなければなりません。
正常に取り付けられていれば、ナンバープレートは昼も夜も問題なくナンバーを確認することができます。ちなみに、夜になるとナンバープレートはナンバー灯(ナンバープレートを照らす灯り)で照らされますが、ナンバー灯には法律で決められた基準があります。
保安基準(日本国内の自動車の基準を定めた法律)によると、ナンバー灯は「30ルクス(人が活字を読める程度。屋内非常灯の明るさ)以上かつ白色」でなければいけないと定められています。
つまり、ナンバー灯を青色や赤色に改造すると改造車とみなされて警察に摘発されるので注意が必要です。また、電球が切れていると整備不良車として警察に摘発されます。
ランプ(灯火類)の色は変えることができるのか
夜走っている車を見ると、車の前面に配置されているライトが車ごとに違っていることがあります。車ごとにライトの色が違っているため、自分の好きな色にすることができるのではないかと考える人がいるかもしれません。
実は、灯火類は光の色、明るさ、向き、個数などが法律で細かく定められています。なぜなら、走行する車の存在や、車が次にとる行動を周囲のドライバーや歩行者に知らせるためのものだからです。
灯火類の色は2〜3色で変えることができますが、いずれにしても制約が多いことに変わりはありません。
以下の解説では「ライト」と「ランプ」の2つの単語が出てきます。ライトは暗い場所を照らして状況「知る」ためのもの、ランプは他人に存在を「知らせる」ためのものです。
ヘッドライト(前照灯)
ヘッドライトは夜間やトンネルで暗いときに、前方の状況を確認するために用います。また、前方にいる車や人に、自分の車の存在を知ってもらうために使います。
ヘッドライトは白色、または淡黄(たんおう)色から選ぶことができます。ただし、左右対象、左右同色であるなど制約が多くあります。
ちなみに、ヘッドライトを使用すると車の後ろにあるテールランプ(赤色)が点灯します。
スモールランプ(車幅灯)
スモールライトは車の停車中に、自車の存在を周囲に知らせるためのランプです。白色、淡黄色、橙(だいだい)色の3色から選ぶことができます。ただし、すべて同色でなければならないと法律で決まっています。
スモールランプだけを夕暮れ時に点灯している人がいますが、これは正しい使い方ではありません。対向車や歩行者に認識してもらうために、スモールランプではなく、ヘッドライトを点灯するようにしましょう。
ウィンカー(方向指示器)
ウィンカーは左右に曲がるとき、または道路上に一時停車するときに使用するランプです。法律で橙色にしなければならないと決まっています。ちなみに、ウィンカーの点滅間隔は毎秒1〜2回になるようにしなければなりません。
フォグランプ(霧灯)
フォグランプは霧や雨が多い夜間など前方が視界不良のとき、前方を見やすくするためのライトです。また対向車に自車の存在を知ってもらうランプとしての役割もあります。
霧の中でヘッドライトのみを使うと乱反射(ライトの光が拡散)して前方を照らせないばかりか、対向車に自分の車の存在を知ってもらうことさえ難しくなります。フォグランプを使用することで、自分の車を周囲に認知してもらうことができるのです。
フォグランプは白色、淡黄色の2色から選ぶことができます。
2006年以前は、黄色のフォグランプも認められていました。しかし、黄色では距離感をつかみにくいなどの理由から、2006年の保安基準改正で黄色の使用は禁止になりました。
霧やチリが多い場所では、光は赤色、黄色、青色の順に遠くまで届きやすくなります。フォグランプを車のオシャレの一部とみなしている車種もありますが、本来の目的である「視界不良での補助光」として使うなら淡黄色がオススメです。
バックランプ(後退灯)
バックランプは、車が後退することを周囲に知らせるときに使うライトです。法律で白色にしなければならないと決まっています。
ブレーキランプ(制動灯)
ブレーキランプは、ブレーキを踏んでいることを後ろの車に知らせるためのライトです、法律で赤色にしなければならないと決まっています。
灯火類は法律で決まっているが、室内灯は自由に選べる
灯火類をオシャレのために青色にしている車をたまに見かけることがありますが、法律で指定されている色以外を使用するのは法律違反です。
灯火類の電球が切れた状態で乗り続けるのは、保安基準に違反していることに加え非常に危険です。車を購入する前だけでなく購入してからも、灯火類に不備がないか確認するようにしましょう。
ちなみに、室内灯はLEDにしようが、何色にしようが問題ありません。ただし、外から見たときに光源が窓枠からはみ出ていたり、明るすぎたりすると警察に注意されたり車検に通らなかったりします。
なぜかというと、遠くの車から見たときに室内灯かブレーキランプか判別がつかないからです。市販のカラフルな室内灯をディーラーにお願いして設置してもらう分には問題になることはありませんが、自分で設置する場合は以上の点に気をつけましょう。
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